プルーストと菩提樹のお茶
なぜだろう、翻訳本の中のお茶やお菓子はとっても魅惑的に
思えることがある。
「ショウガ入りのクッキー」とか「グズベリーのパイ」とか、
あの特有の、すらっとしたすました活字でそんなことをいわれると、
何かとてつもなく素敵なものを想像するんだよね。
「菩提樹のお茶」が出てくるのは、
プルーストの「失われた時を求めて」という長編小説。
母の書棚で見つけて手に取ったんだけど、
とにかく長い、重い。
咀嚼するのに時間がかかるから、
眠る前にほんの少しずつね。
ターナーの「吹雪 Tormenta de nieve」が
刷ってあるブックマークをこの本専用にしたんだけど、
もし完読できたらきっとぼろぼろになってる。
正直、溜め息が出るくらい共感できるくだりと、
まどろっこしく感じるくだりがある、でも、
交響曲と同じでその部分をとばして読むなんてしたくない。
第○の第X楽章が退屈だからといって飛ばして聴いてしまったら、
きっと何か大事なものを見落としてしまう。
菩提樹のお茶って、どんな香りがするんだろう。

