キリエと太陽と
国道134号の海岸線を、モーツァルトのレクイエムを聞きながら行く。
陽の光がいっぱいに差してきてぽかぽかと心地良い。
松林の向こうでは、強風で激しい砂嵐が起こっているのが聞こえる。
モツレクは、闇よりも太陽が似合う、と思う。
しかもちょうど今頃の、初春の太陽。
第2曲「キリエ」を何度も再生する。
レクイエムはフォーレもいい。
やっぱりモーツァルトもいい。
レクイエムが傑作というのは、作曲家にとって
ひとつの勲章かもしれないね。
鎮魂曲には、どうにも超えられない矛盾がある。
生きているうちには、死んだらどうなるかなんて分からないし、
当然ながら、生きていなければ曲は書けない。
だから、本当は鎮魂の仕方なんて分かるわけがない。
それでも、必死に曲を作る。
太陽が反射して眩しい。
相変わらず、砂がバラバラと飛んでくる。
吹き抜ける突風に、信号待ちの人が目をしばたいているのが見えた。

